米 米価格高騰で思うことは米農家と流通に関わる業者を守る為に日本政府が続けてきた米の輸入自由化への抵抗が今後庶民から非難の声を強くしていくだろうと予想されることだ。
 日本にとって米の輸入自由化はトヨタ車の輸入に対してアメリカが関税を重くするのと等しい影響を与える筈だが、マクロ経済における所得の減少以上に、個々の家計への負担を考えることの方が国政において最も重要な課題となるように思う。
 長年わが国の総所得への貢献を大きくした自動車産業界の雄・トヨタも今世紀に入って創業した許りのテスラに株式時価総額を抜かれ、日産自動車は既に苦境に立たされている。
 而して、日本の米農家と流通業者もまた政府の堅い守りを被ろうとも、時代の波に曝されている。
 政府がどれほど米の輸入自由化を排斥し続けても、斯くも米の小売価格が高騰する現象を見る今、最早政府の輸入自由化を阻止する努力も多くの国民の利益を損ねることが明白となった。
 地方の選挙区に議席を持つ自民党の議員らにとって、米生産者・流通業者らは重要な票田たれども、多くの家計に負担を重くし続けるようになるならば、いずれ議席を喪う羽目に陥る筈で、わが国は愈々米の輸入自由化への試練を戦う必要に迫られている。