トランプ政権は愈々鉄鋼・アルミを素材とする日本製品の輸出に対して25％の追加関税を賦課し始めた。
　ト大統領曰く、「アメリカで売りたかったら、アメリカで雇用を拡げて、アメリカで作れ」ということだが、英語圏で育まれた古典派経済学の比較優位説を持ち出すまでもなく、世界最大の消費を果たすアメリカの繁栄はこれまで世界で最も関税障壁を小さくしたからであった。
　我々日本人はwindowsであるかmacを搭載したパソコンを使わなければパソコンを動かすことはできない。
　それほど、アメリカのIT産業は世界に突出している。
　然るに、他の産業分野では米企業が劣る実例を見る。
　世界経済を牽引するアメリカが自国の産業を守る為に関税障壁を構えるのは愚の骨頂である。
　ITの技術に優れた人材・組織はアメリカだけに止まらないものの、IT産業の収益力を成長させることができたのはアメリカだけであった。
　世界最大の商いを立てながら取引所取引でなくして証券会社間における店頭登録銘柄の相対取引に拠るナスダック株式市場がアメリカにおけるIT技術に秀でた人材・組織を成長させた。

　金がものを言う株式市場と異なり、選挙という投票市場ではポピュリズム＝凡民主義にどっぷり漬かることが当選への途となる。
　為に現大統領は自国の雇用と消費の極大化を図りながら、真逆の結果をもたらす愚に陥っている。