ピーター・ナヴァロ 第二期トランプ政権の貿易・製造業担当上級顧問っつうピーター・ナヴァロ氏をトランプ大統領は第一期政権時に自身が至上命題とする「米国製品が買われる」「米国民が雇われる」ことを実現する上で最も頼れる人間だったとし、当のナヴァロ氏は「中国は為替レートを操作する狡い仕業を果たし、為にアメリカの製造業を守るべく関税賦課を果たすのであって、それは保護主義と言うべきでなく、アメリカの防衛だ」と大喝した。
 んで、中国企業が対米輸出を迂回させている東南アジア諸国にもトランプ政権は関税を大幅に引き上げるとしたが、トランプさんやナヴァロさんらがアメリカの製造業と雇用を護ると主張する目的とその手段として採用する関税引き上げとが果たして合目的的な無矛盾性を持っているか大いに疑問だ。
 米政権が中国の専制政治に掣肘を加えたいという肚と自国の産業と雇用を護る為に中国からの輸入品に対して関税を引き上げるということは全く筋を違える話であり、産業と雇用を護る為に果たす施策が関税引き上げという手段では物価水準を異にする異通貨地域間での分業体制の経済性に抗って、却って自国の経済厚生を損ねる愚を犯すこととなる。
 原価計算学を等閑に付したナヴァロ氏の施策は皮肉なことに米国民の怨嗟を買う結末を見る筈だ。