自身の大統領当選に繋がった白人の低所得者層に好評を博すべく、海外からの輸入品に対して関税装置を発動し、第二期政権の始動から早々、強硬な姿勢を顕わにしたトランプ政権も投票市場に的を絞った施策がマーケットの力で是正される兆しが見え始めている。
 その必然性を体現するベッセント財務長官が愈々第二期トランプ政権の枢軸を担っていく筈で、ピータ・ナヴァロ上級顧問やジェミソン・グリア通商代表といった対中強硬派らは次第に政権から疎外されていくだろう。
 21世紀の政治経済学とは複数の通貨流通圏を跨いで顕れるマーケットの力学が諸国の政策を導くものとなる公準の上に成り立つもので、ただロシアといった大国がその力学の作用を弱くするだけであることを理解し、然りとてロシアと雖もいずれ力学上の均衡に収斂することを長い時間をかけて余儀なくされるだけであることを知るべきだ。